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リリース:2008-10-24

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レビュー
女優のケイト・ブランシェットも含め、6人の俳優がボブ・ディランを演じる。とは言ってもディランの人生をそのまま再現するわけではなく、デビュー以前の彼の心象や、キリスト教に傾倒した時代、さらに彼の歌詞を象徴するビリー・ザ・キッドの世界など、6人が演じるのは、ボブ・ディランの「断面」。そこからひとりのアーティストの素顔を浮き上がらせようとするのが斬新で、このアプローチだけでも本作の意義はあると言っていい。
 各パートにはディランにまつわる要素が散りばめられており、細かいネタまですべて発見するのは、コアなファンでなければ不可能なほど。6人の俳優のなかでは、モノクロで描かれるケイト・ブランシェットのパートが、ディランのアーティストとしての生活にフォーカスされているため、最も印象深い。しかし完成後、思いがけずに際立ったのは急逝したヒース・レジャーのパートで、彼のプライベートとダブる描写もあり、役の切実さが痛々しい感動につながることになった。「無意味な歌詞こそ崇高」というディランの思いが、なぜかヒース・レジャーの演技と重なってしまう。(斉藤博昭)


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ユーザーレビュー
買いかなぁ。 (2008-11-13)】
ディランの生い立ちをオムニバス形式で描いた作品ではありますが、どう考えても子ども時代を黒人の子どもとして描くことに得心がいきません(乱暴すぎると思うのですが)。ディランの人生を再構成する意図はともかく、全体的に通底するものがなく、散漫な印象が残りました。ケイト・ブランシェットの佇まいがあまりにはまり過ぎて目が離せなかったことを除けば、「ノー・ディククション・ホーム」のほうがずっとスリリングで楽しめるように思います。


何の価値もない! 久しぶりに頭にきた! (2008-10-31)】
 長年ディランを聴いているが、これほど好き勝手に作っている作品は絶対に許せない! 私の職場で、イケメン俳優なら何でも追いかけているバカなOLがいるが、この映画は、ディランの音楽を理解もせず、ただのファッション感覚で、酒飲んで、タバコ吸って、Fのコードもろくに押さえることも出来ずにギターを掻きならしている、そんな自分に酔いしれている人間だけが、☆5つを挙げる映画だ。 「ボブ・ディランを全く知らない人にお勧め」なんてコメントを述べているレビューがあるが、こんな映画観たら、一生興味を持たなくなるだろう。 第一、インタビューまで演技者が表現して、何の意味があるのだろうか? おそらく、この映画の製作者は、星野ジャパンの仲良し首脳陣と一緒で、お互いの大切な部分を舐めあいながら作ったに違いない。 それが証拠に、この映画から、音楽を抜き取った感覚で鑑賞すれば、何も残らないことがわかるだろう。 ディランのことをまず知りたければ、ベスト盤CD、バーズの「バーズ、ディランを歌う」。映画は「ドント・ルック・バック」から鑑賞すればいいと思う。 ディランを知り尽くしているマニアでも、この映画を鑑賞する時間は無駄に終わると思う。 そもそも、この時代のことを知りたければ、現在、ドキュメンタリー映像が山のように発売されている。 評価の高いレビューが多くて驚いたが、私と同じ感想の人は、たくさんいると思う。 そもそも始めから興味を持たれていないのかな?


6本の光線の交錯の中から浮かび上がるVisions of Dylan (2008-10-27)】
評価の分かれる作品だ。ディランのクリスチャン時代までを役名(ボブ・ディランという役名はない)の異なる6人の俳優で演じ分け、特にデビュー前を11歳の黒人少年(ギターも歌もうまい)に投影し、フォークからロックへの転向時期を女優(ケイト・ブランシェット)が演じ、そして彼の隠遁生活〜カントリー時代を米国開拓時代の無法者に投影してリチャード・ギアが演じるという破天荒な設定。そして物語は自在に時間、場所を行き来する。久しぶりに見たアート志向で難解な映画だ。ノー・ディレクション・ホーム、ドント・ルック・バック、ニューポート・フォーク・フェステイバルといった先行するディラン関係の優れたドキュメンタリー作品を観ておくことを勧めるが、そうするとフォーク〜ロック時期に関してはこれらの多大な影響を受けていることがわかる。本作をそれら過去の作品の陳腐で退屈な変奏と捉えるか、俳優(特にケイト)のディランへのなりきりぶりに感心するか。私は両方の感想を持った。本作は妻サラとの出会いから別れまで、およびクリスチャン時代も描いており、私にはそれらの映像は新鮮だった。特に故ヒース・レジャーによるスターの孤独を感じさせる演技が良い。そして、ディラン自身、俳優(ケイトの歌は吹替え)、他アーティストにより歌われるディランの有名・無名の曲の音楽の圧倒的な存在感。最初は本作を退屈に思った私だが、6人の俳優が放つ6本の光線が混交し、ヴィジョンかもしれないが、最後にはディランの巨大な個性・精神が浮かび上がるのを感じた。本作は理解する映画ではなく、映像と音楽によって、転がり続けたディラン的なものを感じる映画だ。最後のディラン自身のミスター・タンブリンマンのハーモニカ(「ロイヤル・アルバート・ホール」での演奏だろう)で私はそう確信した。








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